アジのチーズ焼き

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 肝臓病のおもな疾患として,今回は急性肝炎と慢性肝炎の食事のポイントについて紹介しましょう。

 急性肝炎は,なんらかの原因によって急性に起こる肝障害です。食欲不振が強く,食事の経口摂取が妨げられるので,食欲に応じて少量ずつ,食事回数を増やして,必要なエネルギーを無理なく与え,不足のエネルギーは輸液で非経口的に投与します。消化能力が減少しているので,消化のよいものを流動食から3分がゆ,5分がゆ,全がゆと徐々に固形物に移行します。

 慢性肝炎は,肝細胞がウイルス(B型,C型肝炎ウイルスなど)感染による免疫反応などによってダメージを受け,長期間(6か月以上を目安)にわたって炎症が持続する疾患です。

 多くの慢性肝炎症例では自覚症状がないため,食事摂取は十分可能で,食事内容も健康人の食事摂取基準程度でよいとされています。エネルギーは30kcal/kg/日,蛋白質は1.0〜1.3g/kg/日程度を目安にします。自覚症状がないためにふだんの食事摂取が偏ったりすると,低蛋白栄養の状態になって悪影響が出やすいので,注意しましょう。

 また慢性肝炎の安定期は,献立が単調にならないような工夫も大切です。特に消化器症状がない限り,易消化食は避け,食物繊維(未精白穀類,豆類,キノコ,海藻,野菜,果物など)の補給に心がけます。またビタミンとミネラルの需要が高まるので,野菜,果物,海藻などをメニューに積極的に取り入れるようにしましょう。主菜(肉や魚料理)の付け合わせや副菜の煮物,炒め物,あえ物などにいろいろな野菜を1日350gを目安に組み合わせます。

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