蛋白質が1日40gのときの食事

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 腎臓の糸球体内に急性の炎症性変化が生じている状態を,一般に急性腎炎と言います。小児および若い男性(女性の2倍)に多く見られる病気です。

 急性腎炎の食事療法は,急性期にいかにして早期に回復させるか,また,慢性腎炎に移行しないようにするかがポイントになります。

 病期は,発症直後の乏尿,浮腫,高血圧などを呈する乏尿期,利尿期を「急性期」,尿量が正常になって浮腫,高血圧が改善されていく回復期,治療期を「回復および治癒期」とします。

 急性期の食事については,(1)エネルギーは十分に摂取します(30~35kcal/kg/日)(2)蛋白質は高度の腎機能低下があるので,0.5g/kg/日に制限します(3)食塩は腎臓からのナトリウムの排泄が悪く,浮腫や高血圧の原因となるので0~3g/日とします。乏尿期では無塩食にしましょう。ただし,自然食品中のナトリウムの食塩相当量1~2gは計算外とします(4)カリウムは乏尿期(血清カリウム値が5.5mEq/L以上の場合)は1日1,000mg以内に制限します。利尿期ではカリウムの制限はしません(5)水分は,乏尿期は前日の尿量+不感蒸泄量(500mL)とし,利尿期は徐々に水分量を増加します。

 回復期は,尿量の増加,浮腫の喪失,血圧の正常化が見られる時期です。エネルギーは不足しないように摂取し,食塩制限は3~5gに緩め,利尿,血圧の状態によって増減しましょう。蛋白質は1.0g/kg/日とします。

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