食物繊維は,栄養成分の消化吸収を低下させて胆汁酸の排泄を促進し,総コレステロールやLDLコレステロール(LDL-C)を低下させます。 食物繊維には不溶性と水溶性があり,水溶性食物繊維であるペクチン,海藻多糖類,グルコマンナンはLDL受容体を増加させるため,LDL-Cを低下させます。 ペクチンは果物,特にリンゴやかんきつ類の皮,野菜などに多く含まれています。海藻多糖類にはコンブ,ワカメなどのアルギン酸,天草からつくられる寒天があります。グルコマンナンはこんにゃくに含まれます。また水溶性食物繊維は,胃のなかで水分を含み膨張して胃の容量を満たすため,エネルギー制限時に満腹感を得るのに効果的です。 不溶性食物繊維(セルロース,へミセルロース,リグニン,イヌリン,グルカン,キチンなど)はおもに,腸の働きを刺激して腸内に発生した有害物質の排出を促す作用や,便秘予防,腸に関する病気を抑制します。 水溶性,不溶性,それぞれ生理作用に違いがあるために,両方をバランスよく取るようにします。1日に20gは取るようにしましょう。 野菜は1日350g,キノコ,海藻を取ることで約1日の60%の食物繊維を取ることができます。そのほかに,豆類(大豆,インゲン豆,小豆など),果物,未精白の穀類(玄米,麦,オートミール,ライ麦パン,そばなど)を朝,昼,夕の食事に組み入れるようにしましょう。