叶和貴子さんインタビュー(関節リウマチとの闘い)(3)

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――そんな苦しい状況をどのように乗り越えていったのでしょうか?

 ある日、ドキュメンタリー番組を見ていると、体に障害を抱えながらもシングルマザーでたくましく生きている海外の女性が紹介されていたんです。「自分だけが」と悲しんでばかりではいけないと、少し勇気をもらいました。それまでは、仕事とリウマチと自分という枠の中で必死にもがいていたわけですが、仕事を離れ、心と体が休まるにつれて、少しずつ周囲が見えるようにもなっていきました。見守ってくれている家族もつらそうだな...と。そんなふうに、少しずつ自分の殻から抜け出せるようになってきたんです。

 このまま人目を気にしたり、表向きを気にしたりしていては、自分がどんどんダメになると思い至り、もう見られてもいいや! と開き直ることにしたんです。真っすぐ歩けないから...と避けていた駅の階段も、横歩きで一歩ずつ歩くのをちゅうちょしなくなりました。そんなふうに開き直るうちに、心が少しずつ元気を取り戻していったんです。

 関節リウマチと真っ向から向き合う日々が続く中で、痛み自体が消えることはないのですが、次第に慣れていきました。こういうふうにすれば少し痛みが緩和する、といったように、自分なりに痛みをコントロールするコツもつかめるようになってきたんです。

 発症した頃にお医者さんから「仲良く付き合うことですね」と言われ、当時は、何でそんなのんきなことを言うのだろう、こんな痛みと仲良く付き合えるわけないじゃない! と思っていましたが、今はその意味が何となく分かってきた気がします。

 心身を休める大切さも痛感しました。やはり、若かったとはいえ、これまで体を酷使し過ぎたのだと思います。そうした意味でも、3年間の休養期間は自分自身を省みるのに必要な時間でした。

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