2012年に始まった風疹の流行で懸念されているのが、妊婦の感染によっておなかの赤ちゃんに先天障害(先天性風疹症候群=CRS)が発生すること。昨年9月の時点ですでに前回の流行(2004~05年)で報告された12人を超えたが、国立感染症研究所(東京都)の集計で1月29日現在、41人に上ることが分かった。調査開始以来、最悪の報告数という。これを防ぐには麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)などの予防接種が効果的だが、妊婦には接種できないため、より多くの人が予防接種を受け、社会全体で守ることが必要だ。東京都や神奈川県でナビタスクリニックを運営する医療法人社団・鉄医会の久住英二理事長は、花粉症の治療や就学・就職の健診で医療機関を受診した人に風疹の予防接種を受けるよう勧めている。 風疹の2013年推移