脱毛症の中でも症状の重い汎発(はんぱつ)性脱毛症は、髪の毛だけでなく、全身の毛が抜け落ちる病気で、最も治療が難しいといわれている。米イエール大学医学大学院のBrittany G. Craiglow氏らは、この脱毛症に悩まされている25歳の男性に、免疫を抑えて関節リウマチを治療する「ゼルヤンツ」(一般名トファシチニブ)を服用させたところ、頭髪や眉毛、体毛が生えてきたと、6月18日発行の米医学誌「Journal of Investigative Dermatology」(電子版)に発表した。脱毛症は自己免疫の乱れが原因ではないかとの説があるが、それに基づく治療の有効性を示した初の報告という。