〈編集部から〉 十分な治療法がなく、死亡や重い障害を残す感染症は少なくありません。これまで人類とウイルス、細菌との闘いが繰り広げられてきた中で、最も強力な武器の一つといわれるのがワクチンです。「ワクチンは飲み水の浄化に次いで、多くの子どもの病気を防ぎ、命を救ってきた"医薬品界のスーパースター"」と話すのは、小児感染症の専門家、長崎大学小児科の森内浩幸教授。しかし、普段の診療において、子どもに付き添うママやパパ、おじいちゃん、おばあちゃんたちのワクチンに対する不安や誤解は根強いと感じることも少なくないようです。このシリーズでは普段、医師にはなかなか聞きにくいワクチンに関する5つの疑問を、6回にわたって解説してもらいます。森内教授は「正しい知識を持って、子どもを守るワクチンを上手に利用してほしい」と呼びかけています。第1回は「ワクチンって病気が流行らなくなれば、もう要らないのでは!?」。