ピロリ菌(Helicobacter pylori)は胃がんの原因の9割以上を占めるとされており、日本では2013年に慢性胃炎の人の除菌でも健康保険が使えるようになった。とはいえ、胃がんを防ぐならば、ピロリ菌に感染しないことが最も重要だろう。中国食品医薬品検定研究院(NIFDC)のジェン・ミン氏らは、6~15歳を対象に行った飲むタイプのピロリ菌ワクチンの研究で、1年後のピロリ菌感染予防効果が示されたと、6月30日発行の英医学誌「ランセット」(電子版)に報告した。ピロリ菌ワクチンの効果が確認されたのは初めてのことで、オーストラリアの専門家は「胃がん予防ワクチン実用化に向けた大きな一歩」と評している(関連記事:ピロリ除菌、胃炎でも保険適用へ―「胃がん撲滅元年」に)。