初婚年齢の高齢化などを背景に、不妊に悩むカップルが増えている。子供を持つことを望んでいながら妊娠できないと、つい女性の方に原因があるのではないかと考えられがちだが、不妊の原因の半分は男性にある。だから「妊活」を始めるなら、男性も「まずは精液検査」が基本。しかし、「恥ずかしい」「仕事が忙しい」といった理由で病院では検査を受けたがらない男性も多い。そこで男性不妊症を専門とする獨協医科大学越谷病院泌尿器科の小堀善友講師が開発したのが、自宅でスマホを使って精子の数や運動率を調べられる精液検査装置だ。スマホとこのキットがあれば、簡単に自分の精子の姿をはっきりと捉えることができるという。6月24~25日に前橋市で開かれた日本アンドロロジー学会の会合では、この検査装置について同講師が紹介。「低コストで簡単に精子の観察ができ、スマホの画面でカウントした精子の数と運動率は医療機関で採用されている検査装置の測定値に近かった」と報告した。