糖質制限食は、「血糖値を上昇させるのは糖質だけ」というシンプルな事実をもとに、食事で摂取する糖質(炭水化物から食物繊維を引いたもの)をできるだけ減らして、血糖を良好にコントロールしようというもの。今では治療の一貫として、もしくは独自に食生活に取り入れ、糖尿病、メタボリックシンドロームといった生活習慣病の改善に取り組んでいる人も多い。「糖質制限食」という言葉が広まっておよそ10年。最初は流行のダイエット法のごとく捉えられてもいたが、数多に消えてはなくなるダイエット法と違い、治療食、健康食として確かな功績を残している。もはやブームではない。このたび、名古屋・総合病院南生協病院で、糖質制限のバイブルともいわれる書籍『バーンスタイン医師の糖尿病の解決』(原著名「Dr. Bernstein's Diabetes Solution」、発行:メディカルトリビューン、販売:金芳堂)の出版記念講演会が9月4日に開かれ、本書の翻訳者である同病院の柴田寿彦名誉理事長、日本での「糖質制限」のパイオニアである高雄病院(京都市)の江部康二理事長が出席した。