かつて日本の「国民病」とも呼ばれていた結核。その後、医療の進歩によって患者数は減ったものの、今でも1日に50人が新たに診断され、5人が命を落としているとされ、決して「過去の病気」とはいえない。また、世界的にも結核は依然として人々の健康にとって脅威となっているのが現状だ。世界保健機関(WHO)が10月13日に発表した202カ国の最新データに基づく世界の結核に関する報告書によると、2015年の結核による死亡者数は世界で180万人に上ることが分かったという。死亡例のほとんどは結核であることが診断されないまま、あるいは診断されても適切な治療が受けられないまま亡くなっている人とみられており、WHOは結核の予防や治療での対策を強化するよう呼びかけている。