産後うつ症状、予測可能に―血液中の代謝産物の変化で

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© Adobe Stock ※画像はイメージです

 血液の液性成分に含まれる代謝産物(メタボローム)の変化を調べることで、産後うつ症状が予測できる可能性が示されたと、東北大の研究グループが発表した。

 出産後1カ月程度から抑うつ症状を呈する産後うつ状態は、日本では2020年時点で14.3%の母親に認められている。近年、体内の数十~数百種の代謝産物を網羅的に解析することで、さまざまな病気の診断や治療に役立つ可能性が示唆されている。

 研究グループは、東北地方での調査に参加した妊産婦のうち、産後うつ症状がある250人と、抑うつ兆候のない250人の血液サンプルに含まれる代謝産物を解析した。

 その結果、産後にうつ症状の有無にかかわらず代謝物が著しく増加していた。一方、症状がある人とない人では、妊娠中後期から産後にかけて37種の代謝物が異なる変動を示した。これらを基に人工知能(AI)の機械学習モデルを構築したところ、症状のある人特有の代謝異常が判明し、症状を予測できる可能性が示された。

(メディカルトリビューン=時事)

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