© Adobe Stock ※画像はイメージです 統合失調症患者で幻聴が生じる脳部位が特定できたと、東京大などの研究グループが発表した。 幻聴は統合失調症の主な症状だが、体験しない患者もいる。これまでに幻聴に関連する脳の構造的特徴が指摘されてきたが、結論は出ていない。研究グループは、磁気共鳴画像(MRI)検査で得られた統合失調症患者87人(幻聴あり58人、なし29人)と健常者117人の脳構造の画像データを用い、統合失調症の幻聴体験に関連した特徴を検討した。 解析の結果、幻聴ありグループでは、幻聴なしと健常者グループに比べ、言語操作や言語認知処理に関わる役割があると考えられる左尾側中前頭回などの表面積が小さかった。また、記憶に関わるとされる両側海馬などの体積も、健常者に比べ幻聴ありグループで小さかった。 研究グループは「幻聴の発生メカニズムの解明につながる結果だ」とコメントしている。 (メディカルトリビューン=時事)