皮膚トラブルとストレス―ストレス要因に気付く

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

© Adobe Stock ※画像はイメージです

 アトピー性皮膚炎や慢性湿疹、ニキビ、円形脱毛症などの皮膚病の中には、心理的な要因(ストレス)が関わるものがある。このような「皮膚心身症」の治療に力を入れる、若松町こころとひふのクリニック(東京都新宿区)の檜垣祐子院長に日頃の治療や当事者がどう向き合えばいいのか、話を聞いた。

▽ストレスで症状が悪化

 「皮膚心身症と判断するには、患者の話を十分に聞くことが重要です」と檜垣院長。

 「皮膚の症状が出たり、悪化したりしたときに『仕事が忙しかった』『人間関係で悩んだ』などのストレス要因が、皮膚の状態に密接に関係していると患者が気付くことができれば、皮膚心身症と考えます」

 治療は、皮膚の塗り薬や飲み薬などを処方するほか、心身医学的なアプローチも重要だ。

 例えば、日常生活での「物事の捉え方」を変えてみる。責任感が強く完璧主義的な人の場合、ストレスを受けると自分を追い詰めたり、「ゼロか100か」という思考になったりする。「ねばならない」「絶対」ではなく、「やらないよりは、やった方がいい」と置き換えてみる。声に出すと、新しい思考に変わっていくので効果的だ。

 緊張が続くときは、アロマセラピーなどリラクセーションを心掛ける。不安感や気分の落ち込みなどが強いときは、信頼できる人に話を聞いてもらうのもよい。

 クリニックでは、アトピー性皮膚炎や慢性湿疹、ニキビの患者で、ストレスがかかると皮膚をかいたり、こすったりするなどの行動が癖になっている場合、自分がどのような状況や場面でかいているかを記録する「スクラッチ日記」を書いてもらう。自分の行動のパターンに気付くことで行動が変わり、それだけで症状が良くなる人もいるという。

▽ストレスサインに気付く

 自分の症状とストレスとの関係が分かると、「体・心・行動」のストレスサインに気付くことができる。「体」の場合は、肩が凝る、頭痛、腹痛、腰痛などを感じたりする。「心」は、不安や緊張が高まったり、いらいらしたりする。「行動」では、笑う回数が減る、遅刻や早退が増えたりする―などだ。

 「このようなサインに気付いたら、休息を取る、睡眠を十分に取るなどのセルフケアを行うと、ストレス状態を緩和でき、皮膚症状の悪化を避けることにもなります」

体、心、行動のストレスサイン

(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 若松町こころとひふのクリニックの所在地 〒162―0056 東京都新宿区若松町9の4 MHビル1階 電話03(3356)3796

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