脳のネットワーク異常を発見―統合失調症の症状に関連か

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 統合失調症患者の社会機能障害と関連する可能性がある脳内ネットワーク(脳領域間のつながり)の機能異常を発見したと、宮崎大などの研究グループが発表した。

 統合失調症患者は、意欲の低下や感情表現の減少といった「陰性症状」によって、他者とコミュニケーションを取るなどの社会機能が損なわれることが問題となっている。研究グループは、患者23人と健康な人22人について、〔1〕音声を聞かせる(聴覚刺激)〔2〕他者の顔を見せる(視覚刺激)〔3〕聴覚と視覚刺激を同時に与える―実験を行い、脳の神経活動を比較した。

 その結果、聴覚と視覚を同時に刺激されると、健康な人は聴覚と視覚からの言語情報を結び付ける脳領域の一部に変化が見られたが、統合失調症患者では変化がなかった。また、脳内ネットワーク機能も著しく低下し、その程度は陰性症状が強い人ほど大きかった。研究グループは「脳内ネットワーク機能の異常が社会機能障害に関連する可能性がある」と述べている。(メディカルトリビューン=時事)

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