小中高生と保護者を対象に「聞き取り困難症(LiD)」の調査を行ったところ、LiDの症状を自覚している生徒は25%超で、症状の認識には親子で差が見られたと、大阪公立大大学院などの研究グループが発表した。 音声情報を脳で処理する際に障害が生じ、聞こえているのに聞き取れない、聞き間違いが増えるといった状態になるLiD。聴力検査では異常がないため気付かれにくい。研究グループは、大阪教育大付属学校に通う6~18歳の生徒と保護者各743人に質問紙を送付し、LiDの症状を点数で評価してもらった。 検討の結果、LiDの判定割合は生徒評価で26.5%、保護者評価で26.1%だった。生徒評価では高学年になるほど増え、騒がしい場所で相手に注意を向けることが難しい「聴覚的注意」の点数が特に上昇していた。一方、保護者は子どもの症状を過小評価する傾向が見られ、認識に違いがあった。(メディカルトリビューン=時事)