乳児股関節脱臼の予防活動効果

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 1970年代に普及した乳児股関節脱臼(DDH)の予防活動は、患者が減っただけでなく、成人になってからの変形性股関節症の重症例減少にもつながっていたと、九州大大学院などの研究グループが発表した。

 DDHは早期に治療しないと軟骨の変形が進み、将来の変形性股関節症発症のリスクを高める。足の動きを制限するとDDHになりやすいため、日本では72~73年ごろに乳児が自由に足を動かせるおむつ、縦抱きにする、上下分かれたベビー服などを広める予防活動が全国的に行われた。

 研究グループは、2022年に全国12病院の15~95歳の変形性股関節症患者1095人を対象に、予防活動の効果を検証した。

 その結果、DDHの治療歴がある割合は対象の出生年が72年を境に減少していた。また重度の亜脱臼(関節のずれ)の有病率は、72年以前の出生者の11.1%に対し、73年以降の出生者では2.4%と少なかった。(メディカルトリビューン=時事)

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