蚊が吸血をやめる物質特定

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 デング熱やジカ熱の原因ウイルスを媒介するネッタイシマカが、一定量の血を吸うと吸血を停止させる物質を特定したと、東京慈恵会医科大などの研究グループが発表した。

 蚊の吸血を促す血液中の物質として、エネルギーの貯蔵や利用に関わるアデノシン三リン酸(ATP)が知られる。

 研究グループはマウスなどの血液を用い、蚊に〔1〕ATPのみを吸わせる〔2〕ATPに他の血液成分を加えて吸わせる―実験を行った。すると、〔1〕では満腹になるまで吸血する蚊が多く、〔2〕では満腹になる前に吸血をやめる蚊が多かった。

 血液成分を分析した結果、出血時に血が固まる過程で産生される「フィブリノペプチドA」という物質を摂取すると、蚊が吸血をやめることが分かった。研究グループは「吸血に時間をかけると宿主の生物に攻撃される危険が高まるため、フィブリノペプチドAの量を感知することでリスクを回避しているのではないか」と考察している。(メディカルトリビューン=時事)

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