低中所得国のリウマチ性心疾患患者は死亡率が高く、手術を受けた割合が少ないことが分かったと、インドなどの国際共同研究グループが発表した。 リウマチ性心疾患は細菌感染をきっかけに発症するリウマチ熱を原因とした心臓の病気で、心臓弁膜症などを引き起こすことがある。 研究グループは、2016年8月~22年5月に低中所得国24カ国で登録した成人のリウマチ性心疾患患者1万3696人(平均年齢43.2歳)のうち、1万2967人のデータを分析。死亡率や死亡リスクとなる因子などを調べた。 分析の結果、3.2年間(中央値)の追跡期間中に15%の1943人が死亡。そのうち、心臓弁膜症を発症したものの手術を受けた患者の割合は4.4%にとどまった。また、重度の心臓弁膜症で見られる肺高血圧症などがあると死亡リスクは上昇したが、心臓弁膜症の手術を受けた人ではリスクが低かった。 研究グループは「外科的治療を受けられる環境整備が必要」としている。(メディカルトリビューン=時事)