せきが長引く例も―マイコプラズマ肺炎

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 発熱や頭痛、せきなどの症状が表れるマイコプラズマ肺炎が、大流行した8年前以来の水準となっている。感染症専門医で、こどもとおとなのクリニックパウルーム(東京都港区)の黒木春郎院長に現状と対策を教えてもらった。

▽コロナ下で流行なく

 原因は「肺炎マイコプラズマ」という細菌で、子どもに多いが大人もかかる。飛沫(ひまつ)感染や接触感染で広がる。

 コロナ下で子どもも感染対策に努めたため、「マイコプラズマをはじめ、さまざまな感染症の発生が抑えられました。その結果、免疫を持たない人が増え、感染が広がりやすくなっていると考えられます」。

 主な初期症状は発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛。子どもでは、鼻水などの風邪のような症状が3~5日続いた後にせきが出るのが典型的な経過だという。

 「せきは、初期は『コンコン』と乾いていますが、やがてたんが絡んだ『ゴボゴホ』に変わっていきます」。進行すると炎症が肺に及んで肺炎になる。基礎疾患にぜんそくがある場合は、せきが2週間以上続くこともある。

▽抗菌薬で治療

 治療としては、原因菌に有効な抗菌薬が処方される。黒木院長によると、それでおおむね良くなるが、抗菌薬への反応が悪いタイプもあるため、治療を始めて2日ほどたっても改善しなければ、抗菌薬の変更などを検討するという。

 感染すると、「せきが出やすくなっていますから、乾燥やほこりを避けるとよいでしょう。水分摂取と睡眠を心掛けることも大切です」。

 今後も流行が続く可能性があり、感染防止のためには手洗いやマスク着用も重要だ。「可能なら、子どもにもマスク着用をお勧めします」。免疫を落とさないように、日ごろから十分な睡眠時間を確保することが重要だという。早期診断が大切だとして、「気になることがあれば早めに医療機関にかかりましょう」と黒木院長は助言する。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 こどもとおとなのクリニックパウルームの所在地 〒107―0061 東京都港区北青山2の13の4 青山MYビル6階 電話03(6804)1892

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする