マウスの実験で、鼻呼吸障害によって運動機能低下やうつ病に似た症状が表れる仕組みを解明したと、東京科学大大学院の研究グループが発表した。 近年、鼻呼吸は脳機能に重要な役割を果たす可能性が指摘されている。研究グループは、さまざまな年齢のマウスの鼻を閉塞(へいそく)させ、社会性や運動機能などを調べるテストを行った。 その結果、鼻を閉塞させていないマウスに比べ、閉じたマウスは運動機能が低く、活動量が減るといったうつ病に似た行動が見られた。さらに、鼻の閉塞によって発達期に脳の神経回路の形成が妨げられ、神経細胞の活動異常が成体になっても持続していた。 研究グループは「ヒトにも当てはまるか確認する必要がある」とした上で、「脳の発達や将来の心身の健康に鼻呼吸障害が関わっている可能性が示された」と指摘している。(メディカルトリビューン=時事)