脳卒中を発症すると、発症直後(急性期)に認知機能障害が見られるだけでなく、長期的にも認知機能の低下が速まる可能性があることが分かったと、オーストラリアなどの国際共同研究グループが発表した。 研究グループは1993~2019年、認知症や認知機能低下の危険因子などに関する研究に参加した11カ国の高齢者2万860人(平均年齢72.9歳、平均追跡期間7.51年)のデータを分析。脳卒中を発症した人の発症前後の認知機能の変化を調べた。認知機能は、脳の4領域(言語、記憶力、処理速度、実行機能)の検査点数に基づく全般的な機能を評価した。 その結果、脳卒中を発症した人はそうでない人と比べ、発症直後に4領域全ての機能に顕著な影響が見られ、全般的な認知機能の低下が認められた。また長期的な認知機能の変化を見ると、全般的な認知機能や、言語、処理速度、実行機能の3領域の機能低下が速いことも分かった。(メディカルトリビューン=時事)