脂肪肝、飲酒なくても要注意ー肝硬変、肝がんに進行も

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 健康診断で肝機能の検査値が引っ掛ったが、放置していないだろうか。かかりつけ医から「脂肪肝」と言われたことはないだろうか。虎ノ門中村クリニック神谷町院(東京都港区)の中村康宏院長は「進行すると肝硬変や肝がんにつながる病気で、酒を飲まない人も要注意です」と呼び掛ける。

▽成人の2~3割

 脂肪肝は、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態のこと。健診受診者の2~3割に見られ、近年増加傾向にある。中でも、大量飲酒歴のない人に生じる「非アルコール性脂肪肝」が問題となっている。

 初期には自覚症状がほとんどないが、病気が進むにつれ、疲れやすい、全身倦怠(けんたい)感、おなかが腫れるといった症状が表れる。

 中村院長によると、脂肪肝になりやすいのは、肥満の人、高カロリーの食事を好む人、運動習慣がない人、糖尿病や脂質異常症がある人。

 一方、「痩せた人でも、体質的に肝臓に脂肪がたまりやすい人がいて、健診で初めて脂肪肝が分かることもあります」。

▽生活習慣改善と体重管理を

 治療としては、生活習慣病を治療して血糖や中性脂肪の管理を行うとともに、運動や食事に気を付けることが中心になる。食事に関しては、特に油の摂取に気を付ける。脂質は体に必要な栄養素だが、余分なものは体脂肪として蓄積される、炎症物質をつくるなど好ましくない面もある。

 対策として、中性脂肪を減らす働きがある不飽和脂肪酸を含む食品(青魚、植物油)を積極的に取ることや、一般的な油より体に蓄積されにくい中鎖脂肪酸(MCT)オイルを利用することなどがある。

 「生活習慣を見直し、体重管理に取り組めば、3~6カ月で血液検査や画像検査で改善したことが分かります」。いま肝臓に問題がない人の脂肪肝予防にも役立つという。

 中村院長は「健診で肝機能に異常があれば、医師の指示に従い精密検査を受けるなどしてください」と話す。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 虎ノ門中村クリニック神谷町院の所在地 〒105―0001 東京都港区虎ノ門3の10の4 虎ノ門ガーデン103 電話03(6823)1409

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