痛み止めや解熱薬として使われるアスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド抗炎症薬(NSAID)は、発がんへの関与が指摘されているシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素の活動を妨害することから、がん予防の可能性を持つ。デンマーク・オーフス大学病院のSigrun A. Johannesdottir氏らは、NSAIDの使用と皮膚がん(有棘=ゆうきょく=細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫=メラノーマ)との関連を、人口の約30%を対象とした国レベルの研究によって調査。NSAIDを使うことで、特に有棘細胞がんとメラノーマのリスクが最大で46%低下していたことを、5月29日付の米医学誌「Cancer」(電子版)に報告した。長期間の使用や使っている用量が多い人でリスクの低下度合いが大きいため、累積の使用量が増えると予防効果が高まるのではないかと推測している。