大阪市の校正印刷会社で従業員らに胆管がんが多発していることが判明した問題は、東京都や宮城県など5都府県に広がり、全国で24人(死亡14人)に上ることが明らかになった。厚生労働省は因果関係について調査を行っているが、原因として指摘されているのがインクの洗浄剤に含まれている1,2ジクロロプロパンとジクロロメタンという物質だ。しかし、この物質によって胆管がんが引き起こされるならば、全ての校正印刷会社で同じ現象が起きていないと説明がつかない。数多くの胆管がん治療を手掛ける日本肝胆膵(すい)外科学会の宮崎勝理事長(千葉大学医学部附属病院長)は、自身の経験から「校正印刷に携わること自体が問題ではなく、その会社にしかない別の要因があるのではないか」と分析する。今回の胆管がん問題について、同理事長に聞いた。