カキは世界各地で食べられていて,西洋で唯一生食されている貝です。一般に出回っている真ガキは旬が冬で,岩ガキは夏が旬です。 カキは「海のミルク」と言われるように,良質な蛋白質をはじめ,ビタミン,ミネラルなどいろいろな栄養素を含む優れた食品です。特に亜鉛,カルシウム,マグネシウム,鉄,銅,ビタミンB群やEを多く含みます。 なかでも亜鉛は,食品のなかで最も多いとされています。亜鉛には,発育の促進,傷の回復を早める,味覚を正常に保つなどの働きがあります。栄養素バランスのよい食事をしていれば不足することはないと言われていますが,ファストフードに偏った食事や極端なダイエットが亜鉛不足を招きます。また,新陳代謝が活発な器官ほど亜鉛不足の影響を受けます。肌のかさつき,傷のなおりが遅くなる,かぜをひきやすくなるなどがあります。 カキに含まれる糖質の大部分を占めるグリコーゲンは,肝臓の働きを助けて肝機能を強化します。鉄や銅は血液中の成分になり貧血予防に,また,カキのぬるぬる部分に多く含まれるタウリンにはコレステロール値の改善や,アルコールの分解を助けて肝臓の負担を軽減する働きがあります。