食塩が制限されると,辛いもの,ぴりっとくる香辛料もよくないと思われがちです。しかし,香辛料の辛さは食塩の塩辛さと性質が違いますから度を越しては困りますが,料理にめりはりを付けるために上手に取り入れます。カレー粉,ワサビ,からし,唐辛子,コショウ,ショウガなどを使って料理の薄味を引き立てます。食が進まないときにもこれらを使うことで食欲をアップすることができます。 また,油を上手に使うことで薄味でもおいしく食べることができます。魚や野菜の空揚げ,フライ,てんぷらなどはその食品の持ち味を外に逃がしません。ごま油を使えば独特の香りがありますし,からりと揚がった揚げもののさくっとした歯応えは塩なしでレモンをかけるだけでもおいしいものです。 この調理法は,新しい油を使うこと,熱いうちに食べることがコツです。揚げものは脂の吸油量が多いので太りすぎの人は取りすぎないように注意しましょう。炒めものも油の香りと食品の持つうま味が絡み合って少量の塩分ですみます。炒めものを上手に仕上げるコツは,手早く炒めることです。ゆっくり時間をかけていては水分が出てしまい,少ない塩味が生きてきません。