脳や脊髄などの中枢神経が侵され、さまざまな症状が表れる多発性硬化症(MS)。一昔前まではあまり知られていなかったが、ここ30年で急激に患者数が増加している。国立精神・神経医療研究センター(東京都)神経研究所免疫研究部の山村隆部長(多発性硬化症センター長)は「他の病気と症状が似ているため、正しく診断されずに進行してしまうケースが少なくありません。これが怖いところです」と警鐘を鳴らす。