――そうは言っても、一度病気をすると色々気にされる方も多いと思いますが...。 まあ、またなったらしょうがないでしょうね(笑)。僕、いい意味で「しょうがないな」って思うんです。例えば「アンチエイジング」っていっても、その意味を取り違えちゃいけない。だって、いつまでも"美魔女"がいいかっていうと、「そうかなあ?」って思いませんか? 「あの人100歳だってよ」「ふーん」なんて会話、嫌でしょ? アンチエイジングとは"維持する"ということ、例えばカメラマンの方なら目は大事にしたいでしょうし、ピアニストなら指とか耳とか。そうやって維持することが結局、全体に行きわたると思うんですよ。どこか自分の大事にしたいところを大事にしてあげると、体って長屋じゃないけど連携して「おー、隣のはっつぁん頑張っているぞ」なんて感じで、他の部分も一緒に元気になってくれる気がするんです。 僕は、目の前に来たことをやっていればいいと思います。目の前のことをちゃんとやろうってことが、未来につながっていくと。「努力」は他人に言われることですからね。たまに、人から「頑張ってますね」とか、例えばこの前も「すごいですね、あの番組30年も」って言われたんですけど、自分では30年間続けているなんて意識はないんですよ。 富士山を登ろうとして、山頂ばかりを見ていたら登れないですよね? 目の前にある道を見ながら歩き続けて、気が付いたら頂上に着くわけじゃないですか。結局、やれることって"目の前に来ること"なんで、目の前に来たことをちゃんとやる。だから、病気でもなったときも「どうしよう」「半年たったらもっと悪くなるのかな」と思ったってしょうがないと。とりあえず、目の前にある階段を上っていけばいい、方向さえ間違ってなければ...。あまり気にし過ぎるのはよくないと思うんですよね、何事も。