3時間待ちの3分診療―。医療機関を受診する患者の不満を表現するフレーズだが、短時間診療は医師にとっても悩みの種という。わずかな診察時間しか割けない中で問診や触診をして適切に診断し、治療方針を決めるのは極めて難しいからだ。患者にも医療者にも不安や不満を抱かせるコミュニケーション不足を解消しようと、病院外で病気の予防や治療について患者と医師が本音で気軽に話し合える「健康カフェ」や「医療カフェ」が各地に広がっている。東京都で2010年8月に誕生した「みんくるカフェ」(主催=みんくるプロデュース)では、白衣から普段着に着替えた医師などの医療職と、地域に暮らす一般市民や患者が集い、お茶やコーヒーを片手にざっくばらんに医療や健康について対話できる"場"を提供してきた。みんくるプロデュース代表で医師の孫大輔氏(東京大学医学教育国際研究センター講師)の活動を取材した。