成人男性を中心とした風疹の流行が続いている。2013年に入り、すでに妊婦の風疹感染による胎児の先天障害(先天性風疹症候群)が約半年で10例と、大流行が起きた2004年の年間発生数に並ぶなど、事態は深刻だ。先天性風疹症候群をなくすためには、風疹ワクチンや麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種率を上昇させるしか方法がない。しかし、幼少期を逃してしまうと定期接種ではなくなるため、成人への風疹予防接種が進まない状態だ。そんな中、成人の接種率を少しでも上げようと企業に直接赴き、社員の集団接種を行う医師がいる。今年、既に2件の企業でのMRワクチン集団接種を行ったナビタスクリニック(東京都、神奈川県)の久住英二理事長(内科)は「企業での集団接種は、社員のためだけでなく、会社側や医師にもメリットがある」と語る。 最新の風疹(三日ばしか)発生報告数と年間推移を見る