ロマン派を代表するドイツの作曲家、ロベルト・シューマンが、ピアニストの夢を断念した原因といわれるジストニア。しかし、シューマンの時代から200年がたとうとしている現在も、この"難病"には不明な点が多い。大阪大学医学部神経内科脳卒中科の小仲邦氏と望月秀樹氏は、音楽大学の現役学生580人にアンケートを行った結果、ジストニアについて知っていると回答したのは3割にとどまったと、5月21〜24日に福岡県で開かれた日本神経学会の会合で報告した。小仲氏らは、音大生にこの病気の存在を知らせ、練習をさらに重ねることで症状を悪化させないようにすべきと強調している。