近年、てんかん患者のてんかん発作が原因とされる重大な自動車事故が相次いで発生し、社会問題化している。昨年10月から検討を重ねてきた法務省の結論を受け、今年4月には「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」案が国会に提出、11月5日に衆議院において全会一致で可決され、今国会で成立の見通しだ。同法案では、危険運転致死傷罪の対象として、てんかんや統合失調症など特定の「病気」※1が明記されているが、これに対して日本精神神経学会などはこれまで、「これらの病気に対する差別を助長する」などとして削除を求めてきた(関連記事)。衆議院で可決した翌6日、同学会を含む8つの学会※2は、「病気」ではなく「病気の症状」に修正すべきとする要望書を改めて参議院に提出した。