マラソンやサッカーなどのスポーツ中に死亡するケースは少なくない。こうした運動中の突然死は、不整脈の一種である心室細動によるものが多く、心室細動はもともと心臓に問題を抱えている人に起こるのがほとんど。しかし、中には心臓に全く病気がないのに発生することがある。東京医科歯科大学難治疾患研究所の古川哲史教授らは、国立循環器病研究センターなどとの共同研究で、マウスを使って運動中に突然死に関係する新たな遺伝子を確認したと、10月1日発行の欧州心臓病学会誌「European Heart Journal」(電子版)に報告した。心臓に異常が見られない人で起こる心室細動、特発性心室細動の患者では、この遺伝子が変異している可能性があるという。