日本をはじめ多くの先進国で超高齢社会を迎えているが、高齢者が多くなるとそれだけ高齢者がかかりやすい病気の患者が増えることになる。その一つが認知症で、とりわけ約半分を占めるアルツハイマー病は原因がはっきりとせず、治療や予防だけでなく、発症を予測することも困難だ。こうした中、フランスの研究施設「トゥールーズ神経変性疾患COE」のナタリー・デル・カンポ氏らは、高齢者128人を調査した結果、アルツハイマー病患者の脳で多く見られるタンパク質(アミロイドβ〈ベータ〉)と歩く速度が関連していたと、12月2日発行の米国神経学会誌「ニューロロジー」(電子版)に報告した。歩行速度が遅いほど、アミロイドβが多かったという。