© Adobe Stock ※画像はイメージです 脳内のセロトニン神経は自律神経のバランスを整え、精神の安定をもたらす抗うつ効果があることで知られるが、反対に不快感を引き起こすセロトニン神経も存在することが分かったと、京都大などの研究グループが発表した。 うつ病の治療には、セロトニン神経の活動を上昇させる薬が使われるが、効果が表れるまでに時間がかかり、薬が効かない患者もいる。 研究グループは、セロトニン神経の活動を蛍光で測定できるマウスなどを用いた実験で、脳内の神経活動の詳細な変化を調べた。 その結果、正中縫線核(せいちゅうほうせんかく)と呼ばれる部位のセロトニン神経の働きが活発になると、不快感が誘発されることが分かった。研究グループは「今回発見された、従来の想定とは逆の機能を持つセロトニン神経の活動を選択的に抑える薬の開発につながる」と期待を寄せている。 (メディカルトリビューン=時事)