© Adobe Stock ※画像はイメージです 肥満が要因の一つとされる目の病気「加齢黄斑変性」(AMD)について、肥満状態が改善した後も免疫細胞に「肥満の記憶」が残り、発症に悪影響を及ぼすことがマウスの研究で分かったと、京都大とカナダ・モントリオール大の研究グループが発表した。 AMDは神経炎性疾患の一種で、加齢に伴い網膜の中央部に異常な血管が生じ、視力が低下して失明の原因にもなる。発症には、喫煙や肥満などの関与が指摘されているが、肥満の改善が発症を抑制するかは明らかでない。 研究グループが、肥満させてから体重を正常化したマウスにAMDを誘発する実験を行ったところ、正常化後は全身の代謝状態が改善したが、AMDは悪化したままだった。原因を調べると、脂肪組織に含まれる自然免疫細胞に「肥満の記憶」が保持され、炎症やAMDの発症につながる血管新生が起きやすい状態にあることが分かった。 (メディカルトリビューン=時事)