© Adobe Stock ※画像はイメージです 人間が恐怖や痛み、急激な温度変化などの外的ストレスにさらされた際に陥ることがある過呼吸で、皮膚の感覚が鈍るメカニズムの一端が解明されたと、筑波大と新潟医療福祉大の研究グループが発表した。 過呼吸に陥ると、皮膚の感覚が弱まることが知られているが、そのメカニズムは明らかでない。研究グループは、過呼吸発生時に体内の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出され、脳への血流が弱まる低二酸化炭素血症に着目。20代の男女15人を対象に、CO2濃度の変化が皮膚の温度感覚に及ぼす影響を調べた。 〔1〕自発的な過呼吸でCO2を過剰に排出させた場合〔2〕同時にCO2を吸入して過剰な排出を防いだ場合の2パターンで皮膚温度感覚を測定したところ、〔1〕の体内のCO2濃度が低下した場合にのみ感覚が鈍ることが分かった。研究グループは「夏場の運動や冬場の水難事故など大きな体温変化によって生じる過呼吸は、皮膚感覚を鈍らせて熱中症や低体温症を助長する可能性がある」と指摘している。 (メディカルトリビューン=時事)