ぜんそく患者の気道は、健康な人に比べ免疫細胞の一種である「肥満細胞(マスト細胞)」が増えて活性化し、標準的な治療に反応していない可能性が示されたと、山梨大大学院などの研究グループが発表した。 気道炎症に対する吸入ステロイド薬の使用などで、ぜんそくは良好に管理できるようになったが、これらの治療をやめると再発しやすく、治癒は難しい。研究グループは、この課題を解決する目的で米国のぜんそく患者の遺伝子に関する登録データを解析した。 その結果、重症度を問わずぜんそく患者の気道では肥満細胞が増加し、活性化していた。増加の割合が多い人ほど肥満細胞の活性が強く、気道の炎症も激しかった。 また、ほぼ全員が吸入ステロイド薬による標準治療を受けており、肥満細胞が標準治療に反応しないことが示唆された。研究グループは「肥満細胞を標的とした治療法の開発により、ぜんそくが治癒する可能性がある」としている。(メディカルトリビューン=時事)