心房細動のカテーテル治療後に行う抗凝固療法。同療法の継続による出血リスクの高さなどが、脳梗塞リスクの低い人と高い人で異なることが分かったと、国立循環器病研究センターなどの研究グループが発表した。 心臓が不規則に動く心房細動は、脳梗塞など血の塊が血管に詰まる塞栓症の原因となる。カテーテルで心臓の異常部位を焼き切るといった治療(CA)が行われ、脳梗塞リスクが高い人は術後も血栓予防の抗凝固療法の継続が望ましいが、出血しやすい点もある。 研究グループは、CAを受けた心房細動患者23万1374人を対象に、脳梗塞リスクを表すスコア別に術後6カ月時点の抗凝固療法継続と、塞栓症、頭蓋内出血などとの関連を調べた。 その結果、スコア2点以下の脳梗塞リスクが低い患者は、抗凝固療法非継続者と比べ継続者の出血リスクが高かったが、塞栓リスクに差はなく、脳梗塞の発症抑制との関連はなかった。一方、3点以上の患者では、継続者の出血リスクは上昇せず、塞栓リスクは低下した。(メディカルトリビューン=時事)