トイレの水を流す際に発生するエアロゾル(微細な飛沫=ひまつ=)は、ふたを閉めても飛び散ることが分かったと、産業技術総合研究所などの研究グループが発表した。 研究グループは、一般的な節水タイプのトイレを水洗し、エアロゾルの量や広がり方などを調べる実験を行った。その結果、ふたを開けて流すと、上方に飛んだ飛沫は最高で40~50センチの高さに達した。細かなエアロゾルは浮遊し、トイレ個室内に数分から数十分間漂う可能性が示された。また、湿度が高いほどエアロゾルは拡散しやすかった。ふたを閉めて水洗すると上方への拡散はなくなったが、手前方向に15センチ程度の距離まで漏出した。 さらに、ヒトに感染しない模擬ウイルスを便器に投入し、ふたを閉めて水洗すると、便器から約25センチの距離の壁にもウイルスが付着した。感染症対策として、水洗時はふたをしてなるべく便器から離れ、便器だけでなく定期的にトイレの壁も拭くなどの方法を提案している。(メディカルトリビューン=時事)