高齢者に多い症状のふらつきや不安定歩行(加齢性平衡障害)は、体のバランスをつかさどる内耳の器官「前庭」の機能低下などが主な原因であることが分かったと、順天堂大医学部付属順天堂東京江東高齢者医療センターの研究グループが発表した。 研究グループは、加齢性平衡障害の原因別の治療を行うため、2021年12月から2泊3日の「めまいリハビリ入院」プログラムを開始。登録されたふらつきと不安定歩行のある患者164人(男性48人、女性116人、平均年齢80.5歳)の体組成計測、平衡機能検査、睡眠検査などの結果を分析した。 その結果、164人中153人で、前庭障害、筋機能障害、睡眠障害が、独立してまたは複合的にめまいや不安定歩行と関連することが分かった。また、3因子の重症度スコアの合計が高い患者ほど、症状が重かった。 さらに、患者の23%はビタミンB1、12の欠乏を合併していた。(メディカルトリビューン=時事)