所得による健康格差を調査したところ、所得が低いほど認知症リスクが高く、歯の喪失がその一因となることが分かったと、東京科学大大学院の研究グループが発表した。 研究グループは、全国の65歳以上の高齢者を対象とした研究の2010年のデータから2万1306人(平均年齢73.4歳、女性53.5%)を12年間追跡調査。所得と認知症の関連に歯の喪失がどの程度影響するのかを検討した。 その結果、認知症を発症した人の割合は、世帯収入200万円未満のグループで24.0%、200万円以上で19.7%だった。また、自分の歯が20本未満の人の割合は、世帯収入200万円未満で68.9%、200万円以上で57.8%だった。 さらに詳細な分析では、所得が200万円未満の人は、200万円以上の人に比べて認知症リスクが1.17倍高く、そのうち6.6%が歯の喪失によるものだった。(メディカルトリビューン=時事)