東京地方裁判所は昨日(3月16日)、高血圧治療薬バルサルタン(商品名:ディオバン)の医師主導臨床研究論文の不正により、旧薬事法違反の罪に問われたノバルティス ファーマと元社員の白橋伸雄被告に対し、無罪判決を言い渡した。これを受けて、臨床研究適正評価教育機構(J-CLEAR)の桑島巌氏は、同機構の公式サイトで見解を発表した。またノバルティス ファーマも公式サイトで、問題の本質は医師主導臨床研究において適切な対応を取らなかった同社にあるとのコメントを掲載した。 研究不正を法で裁くことの難しさを示した判決 白橋伸雄被告とノバルティス ファーマが裁判で問われていたのは、バルサルタンの臨床研究のデータが改竄されたことで、同薬が優位となった論文が、旧薬事法66条1項の誇大広告に当たるか否か。 判決を傍聴した桑島氏は「白橋被告がデータを改竄したとする検察側の主張を全面的に認めたものの、研究論文を医学ジャーナルに掲載することは必ずしも薬事法でいう誇大広告には該当しない、との見解から無罪判決となった」と説明した。 しかしその点は、研究論文の不正は違法とした厚生労働省の見解と異なるとして、同氏は研究不正を法律で裁くことの難しさを示した判決であると指摘した。 また、白橋被告およびノバルティス ファーマに対し、無罪ではあったがデータ改竄の事実が明らかになった以上、反省して襟を正すべきであるとしている。 ノバルティス「社会的、道義的責任を感じている」 同日、コメントを発表したノバルティス ファーマは、無罪判決ではあるものの、問題の本質は医師主導臨床研究において、同社が適切な対応を取らなかったことにあるとの認識を示した。その結果として、患者と家族、医療関係者、研究者、社会全体に迷惑をかけてしまったこと、また、日本の医学・医療の信頼を大きく失墜したことに対して社会的、道義的責任を感じていると発表した。 (田上玲子) Normal 0 0 2 false false false EN-US JA X-NONE /* Style Definitions */ table.MsoNormalTable {mso-style-name:標準の表; mso-tstyle-rowband-size:0; mso-tstyle-colband-size:0; mso-style-noshow:yes; mso-style-priority:99; mso-style-parent:""; mso-padding-alt:0mm 5.4pt 0mm 5.4pt; mso-para-margin:0mm; mso-para-margin-bottom:.0001pt; mso-pagination:widow-orphan; font-size:12.0pt; font-family:"Centaur",serif;}