「絶対に誰にも言わないで」 シップヘルスケアファーマシー東日本株式会社 川村 和美 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 患者さんの望みに応えるか、医師の指示に従うべきか...。"倫理的判断"に迷う場面においては、直感に頼らずそのケースをさまざまな側面から幅広く検討し、より望ましい決定をするというプロセスが重要になります。 次のケースに遭遇した場合、あなたならどう考えますか? 「絶対に誰にも言わないで」 私は、勤務5年目の病院薬剤師(29歳)です。 Dさん(72歳・女性)は、先週より、血糖コントロールとインスリン導入のため、糖尿病病棟に教育入院しています。理解力も治療に対する意欲もあり、私との面談を心待ちにしてくれているので、Dさんへの服薬指導には、私もやり甲斐を感じています。 ある日、服薬指導に訪れたとき、Dさんが「先生、ちょっと休憩していって」と、嬉しそうに床頭台の引き出しから栄養ドリンクを出して手渡してくれました。話を聞いてみると、Dさんは健康保持のために、栄養ドリンクを毎日欠かさず飲んでいるというではありませんか!! 「怒られたり止めなさいって言われたら嫌だから、先生にも看護師さんにもナイショ。絶対に誰にも言わないでくださいね」とお願いされてしまいました。 でも、栄養ドリンクは糖質が多いので、継続的に摂取しているという情報は糖尿病の治療上、放置できません。 あなたならどうしますか? Dさんの治療上、必要不可欠な情報なので、関係者間で直ちに共有する。 関係者間で情報を共有するが、Dさん本人には知られないように接してもらう 関係者に安易な情報共有をすると、誰かがDさんに言ってしまうかもしれない。そのリスクを最小限に留めるため、主治医にのみ情報を伝える。 糖尿病治療は本人の意識が何よりも重要なので、Dさんに栄養ドリンクを止めるよう説得する。すぐに止めてもらえたら、この情報は共有しなくて済む。 私を信じて栄養ドリンクをくれたDさんを裏切るわけにはいかないし、Dさんの気持ちを大切にする医療者でありたいので、誰にも言わないでそっとしておく。 あなたは、何番を選択しましたか?あるいは、別の方法を考えたでしょうか。このケースを考える上で大切な、5つの視点から解説していきます。※(関連記事)倫理的に判断するための5つの視点とは? 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×