〔編集部から〕2025年5月30日〜6月3日に行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)より、注目演題の要点をレポートします。 (Infographic ©️Medical Tribune) 学会名:米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025) 学会レポート一覧を見る 会期:2025年5月30日〜6月3日 演者:Alessandro Leonetti氏(イタリア・University Hospital of Parma) 背景 術前化学療法(免疫療法との併用含む)は、ステージⅢの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する標準治療として確立されている ALK融合遺伝子変異陽性NSCLC(ALK陽性NSCLC)にALKチロシンキナーゼ阻害薬(ALK-TKI)が及ぼす影響は不明である これまでALK-TKIアレクチニブは、進行ALK陽性NSCLCや、切除後ALK陽性NSCLSに対する治療薬として有効性が示されている(N Engl J Med 2017; 377: 829-838、N Engl J Med 2024; 390: 1265-1276) 今回、切除可能ステージⅢのALK陽性NSCLC患者の周術期におけるアレクチニブ投与の有効性および安全性を検討した第Ⅱ相試験ALNEOの最終結果を報告した 試験概要 組み入れ基準 ①ステージⅢの切除可能局所進行NSCLC、②多職種による検討で外科切除の候補と認定、③ALK陽性(免疫染色、蛍光 in situハイブリダイゼーション、次世代シークエンシング)、④治療歴なし、⑤全身状態(ECOG PS)0~1 介入 術前化学療法:アレクチニブ600mg 1日2回2サイクル投与(33例)、術後補助化学療法:アレクチニブ600mg 1日2回24サイクル投与(26例) 主要評価項目 病理学的主要効果(MPR)※ 副次評価項目 病理学的完全奏効(pCR、盲検独立中央判定による)、奏効率(ORR)、無イベント生存(EFS)、無病生存(DFS)、全生存(OS)、有害事象(AEs) ※腫瘍生存率10%以下、盲検独立中央判定による