〔編集部から〕2025年5月30日〜6月3日に行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025)より、注目演題の要点をレポートします。 (Infographic ©️Medical Tribune) 学会名:米国臨床腫瘍学会(ASCO 2025) 学会レポート一覧を見る 会期:2025年5月30日〜6月3日 演者:Sara M. Tolaney氏(米・Dana-Farber Cancer Institute) 背景 タキサン系薬と抗HER2抗体のトラスツズマブおよびペルツズマブの併用(THP)療法は、HER2陽性の進行・転移性乳がんの標準治療として10年以上用いられている 国際第Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験DESTINY-Breast09では、抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)単剤療法またはT-DXd+ペルツズマブ併用療法とTHP療法の有効性と安全性を検討 今回、T-DXd+ペルツズマブ併用群とTHP療法群について、2025年2月26日をデータカットオフ(追跡期間中央値29.2カ月)とする中間解析結果が報告された 試験概要 組み入れ基準 ①HER2陽性の進行・転移性乳がん、②無症候性/活動性のない脳転移は許容、③最後の化学療法またはHER2標的療法から6カ月超の無病期間(DFI)を有する、④転移性乳がんに対する内分泌療法は1ラインのみ許容、⑤転移性乳がんに対するその他の全身治療歴なし 介入 ●T-DXd単剤群(387例):T-DXd 5.4mg/kgを3週間隔で静注●T-DXd+ペルツズマブ併用群(383例):T-DXd 5.4mg/kgを3週間隔で静注+ペルツズマブ初回840mg静注後、420mgを3週間隔で静注●THP療法群(387例):タキサン系薬(パクリタキセル/ドセタキセル)+トラスツズマブ+ペルツズマブ 主要評価項目 盲検下独立中央評価による無増悪生存(BICR-PFS) 主要副次評価項目 全生存(OS) 副次評価項目 担当医師の評価によるPFS(INV-PFS)、全奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、2回目の病勢進行または死亡までの期間(PFS2)、安全性および忍容性 <!-- 最初に読み込みたいリセットCSS(Destyle.css)を先に読み込みます -->