厚生労働省は8月29日付で医薬局医薬品審査管理課長通知(医薬薬審発0829第1号)を発出。既存薬のイネビリズマブ、ウステキヌマブ、リサンキズマブ、新規薬剤のanselamimab、nipocalimab、dazodalibepなど16品目を新たに希少疾病用医薬品として指定した一方、2品目の指定を取り消した。 nipocalimabは全身型重症筋無力症でも承認申請中 今回、新たに希少疾病用医薬品として指定された16品目は表1の通り。 表1.希少疾病用医薬品に指定された医薬品 イネビリズマブは、視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療薬として承認されており、今回は全身型重症筋無力症への適応が追加。現在、IgG4関連疾患の適応追加申請も行っている(関連記事「重症筋無力症、新GLの改訂ポイント」「イネビリズマブ、IgG4関連疾患の適応追加を申請」)。 ウステキヌマブ、グセルクマブはこれまで成人を対象として指定されていたが、それぞれ小児への適応が拡大(関連記事「ウステキヌマブ継続が6歳未満IBDに有望か」)。同じくリサンキズマブについても成人だけでなく、小児への適応拡大となった。 nipocalimabは、抗胎児性Fc受容体(FcRn)阻害作用を有する完全ヒト型モノクローナル抗体。FcRnのIgG結合部位に特異的かつ高い親和性で結合することで、FcRnによるIgGのリサイクルを阻害しIgGの分解を促進する。今年(2025年)1月には全身型重症筋無力症治療薬として承認申請されている(関連記事「Nipocalimab、全身型重症筋無力症で承認申請」「重症筋無力症治療の新星nipocalimab、強みは」)。 なお、試験研究などの中止届が提出された2品目については、希少疾病用医薬品の指定が取り消された(表2)。 表2.希少疾病用医薬品の指定が取り消された医薬品 (表は全て編集部作成) 詳細は、厚労省の「医薬薬審発0829第1号」を参照されたい。 (編集部・小暮秀和)