腫瘍溶解性「35型アデノウイルス」を開発 大阪大学:難治性がんに対する新たな治療薬として期待 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 大阪大学大学院薬学研究科教授の水口裕之氏、同科准教授の櫻井文教氏らの研究グループは2月17日、これまで遺伝子治療やウイルス療法に広く用いられてきたアデノウイルスとは異なるタイプの「35型アデノウイルス」を基本骨格とした新しい腫瘍溶解性ウイルスを開発したと発表した。 同氏らによると、既存の腫瘍溶解性ウイルスは5型アデノウイルスを基本骨格としている。しかし日本人を含む成人の多くは、5型アデノウイルスに対する抗体を保有しているため、抗体によって治療効果が減弱する可能性があった。また5型アデノウイルスの感染受容体は、悪性度の高いがん細胞をはじめとする一部のがん細胞では発現が低く、それらの細胞に効率よく感染できないという課題もあった。 今回、同研究グループは、5型アデノウイルスではなく、抗体を保有している人の割合が低く、多くのがん細胞で高発現しているCD46を感染受容体として感染する35型アデノウイルスを基本骨格とした新しい腫瘍溶解性アデノウイルスを開発(図)。 図.同研究の概略 (大阪大学プレスリリース) これにより、従来の腫瘍溶解性5型アデノウイルスでは治療効果が期待できないがんに対しても高い治療効果を示すことが期待されるという。同研究成果は、Mol Ther Oncolytics 2021年1月25日オンライン版に掲載された。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×