新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、患者のウイルス量がピークを過ぎた後に病態の重症化が進行することが知られている。しかし、ウイルス量の減少後に肺組織傷害が進行する機序は明らかでない。横浜市立大学大学院麻酔科学講師の東條健太郎氏らは同大学救急医学との共同研究により、COVID-19の重症例では発症後早期に細胞死を起こした肺胞上皮細胞から放出される分子が重症化の引き金となっている可能性があるとiScience(2023; 26: 105748)に発表した。